奴隷野郎は最低最悪の人間さ。宗教の奴隷め。だが、君が奴隷野郎に憤っているのは、奴の非礼だけが問題ではない。無礼な態度はその瞬間ムカつくが、時と共に薄れるものだ。君があいつを許せないでいるのは、奴があまりにも卑劣だったからだろう。信頼を裏切り、一方的に中傷を加え、本性を表して去って行ったことだ。君はそれに心の外憤っているわけだ。まあ当たり前だな。それほど嫌な事をされたら、ワナワナ増える震えるのもわかる。
これは人間心理にも触れる問題さ。無礼さは悪いものだが、感情は長続きしない。卑劣さは、長いこと引きずられるほどの怒りや恨みを生み出す。これは万国共通だよ。君に限ったことではないのさ。被害者から見れば、卑劣な人間は、極悪人にも悪魔にも見える。だから余計に憎しみが募る。卑劣だという事は、最低限の人間の道徳規範を無視する人間だという事だからな。
だがな、クズ人間に対する憤りを引き摺っていたら意味がない。忘れろとは言わない。でも支配はされるな。こんなゴミみたいな奴に感情を支配されたら、それこそ馬鹿馬鹿しいと思わないか。貴重な人生の時間を無駄にする事になるのさ。クズ人間はクズ。自分とは関係ない。そう割り切れ。そうしたら気持ちは幾分か楽になる。
後な、君が奴隷野郎に遭遇したのは全く不幸だが、裏を返せば免疫が無かったからさ。君は人との交流が少な過ぎた。だからああいうゴミみたいな奴に出くわして、信頼を寄せてしまったんだ。用心するのも大事だが、用心するための勘は、幅広い交流でしか得られない。だからまず、いろいろな人と付き合え。用心を始めるのはその後でいい。それから否定的な言葉は無視しろ。無知な偏見に満ちた人間の言葉なんてなんの価値もない。はっきり言って有害だ。そんな奴の言葉より自分の実力を信じろ。絶対な。
結局一番重要なのは、強靭な精神だ。「男になれ」みたいな事を言う奴は馬鹿だ。相手にしなくていい。男も女も関係ない。軟弱な男もいれば、強い女もいるんだから。重要なのは、多少の事で動じない事だ。冷静でいろ。感情に左右されるな。楽観視はまだいいが、悲観視なんてするな。一文の得にもならないから。そしてクズは相手にするな。貴重な人生の時間を浪費する必要なんてない。
