「ちょっと!柚!また、ジャージ忘れたの!?」
「え!ほんとだー!ごめーん、真白ー」
「いやいや!許せないって!今日で何回目なの!?」
教室の窓側の席。朝から騒がしい、二人の様子を同級生は苦笑していた。
真白は、学級委員で、面倒見がよく、しっかりもの。
一方、柚は、忘れっぽい、全力マヌケ&天然女子。
「でもさ?真白のジャージっていい匂いじゃん?
彼女の匂いって感じー!」
「はぁ?なに言ってるの?誰が、柚の彼女よ!」
「え?そんなこと言ったっけ?」
「言いましたけど?」
真白は、呆れながら、足を組み直し、柚はポカンと口をあけている。
・・・これがいつもの日常だった。
昼休み。
購買で買った、焼きそばパンを頬張る柚に真白は言った。
「ねぇ。柚って好きな人いるの」
「んー?なんでー?」
少し不機嫌そうに真白が言うと、柚はパンを食べる手を止めた。
「な、なんでって…。誰かにとられたら嫌だからだけど…。」
「え…?」
真白が、少し頬を赤らめながら言うと、柚のパンが手から落ちそうになった。
「だって。ずっと私達一緒だったし。私のって感じじゃん!」
「あ、え、ま、あ、うん…?」
真白が一方的に想いを伝えても、柚は理解していない反応だった。
「柚が誰かと付き合ったら、また…。今みたいに会話できないし」
「ふーん?それは、私もそうだけど?」
真白の目が大きく開いた。でも、柚はなんともないように言葉を続ける。
「真白が、他の子と付き合ったら嫌だよ?」
「へー…」
柚はニコニコと笑っているが、真白は意を決して口を開いた。
「私達、両想いってことだね」
「・・・え?」
柚がいつまでも、好意に気づかないのが焦れったくなって言ってしまった。
「だからぁ!柚も好きなんでしょ?私のこと!
私も好きだから!付き合ってください!これでどー!?わかった!?」
「あ、そういうことね!お試しってわけかぁ!」
ヤケクソになりながら言ったのに、柚からは意味不明な言葉が。
「彼氏ほしいけど、練習したいってことでしょう?
仮のお付き合いってわけねー!」
「はぁ…」
真白は、唸った。この子は何を言ってもだめだと。
「うん。そうそう。そうですよー」
「じゃあ、今日からお試しね!」
二カッと笑う柚を横目に、真白はうなだれる。
(まあ、これもいっか。そのうち…ね。)
鼻歌を歌う柚の手にそっと触れ、ぎゅっと手を繋いだ。
放課後。
夕陽の中、二人は肩を並べて歩いていた。
二人の手は、しっかり繋がれている。
「ねぇねぇ。真白ぉ?」
「ん?なに?」
真白よりも少し背が低い柚が覗き込むようにして見てくる。
「仮じゃなくて、本当につきあってみなーい?」
「え…」
柚は、スキップをしながら、真白の前にでる。
「好きだよ!真白ー!」
柚が、大声で真白の名前を呼ぶ。
「私もー!」
やっと想いが伝わったと、真白は目をうるわせる。
もう一度。二人は肩を並べ合って歩いた。
数分前の空気とは、少し違った雰囲気で。
※やっっと書けたぁぁぁぁ!
もう、マジ、頑張ったから見てほしい!(泣)
良かったら感想もください…!(できたらでOK!)