初恋にしてはとても「歪」で真っ直ぐな思いだと自分では思っている。
その人はもう六年ほどの付き合いで高校を卒業した後も大抵は1ヶ月以内に会うほどの仲を続けている。
友となったきっかけは大それた出来事ではないが、自分にとってもしその人と出会うことがなかったなら今の私は存在することはないだろうし、その人に与えられた物は少なくない。
その人が好きなことは好きでありたいし嫌なことがあればできるかぎり側にいてあげたいと思う、その人が好きなことは好きでありたいし自分の好きなことも知って欲しい。お金に困ったらいくらでも貢いであげるし望むのなら他の誰よりも愛することができるという確証がある。
好きで好きで仕方がないからこそ幸せになって欲しい。帰るべき居場所と自身を受け入れてくれる人を見つけて成功と失敗をたくさん経験して苦しまずに自分の人生に納得して死んで欲しい。
一方で私とは関わらないで自分の知らないところで幸せになって欲しい。この二律背反が私の中には渦巻いている。
単純な話私はその人と同性だからだ
仮に恋愛的な関係になったとして、同じ性別の人間と付き合うことはその人の生に多かれ少なかれ歪みを残すことになるだろう。恋愛において性別の幅を広げる行為は他者から忌避の目で見られることになるだろうしそればっかりは避けたい。というより私が理想とするその人の幸せにこれは該当しない。
だけどこの愛情だけは嘘ではないのだ。私を呼吸すらままならない世界で生かしてくれたその人は私にかけがいのない物をくれた。だから感謝して愛している。
言葉にできないからこそ数年かけて多くの物を貢いだ物も金も時間も経験も…
だからせめて愛されなくていい愛されなくてもかまわないからお願いだからせめて手を握るだけでもいいんだ、ただ貴方に触れさせてそれさえできるんだったら私は貴方を諦めることができるのに。どうしてそれすら叶えられないんだ。
どうにかしてこの恋を終わらせることができないのか誰か教えて。